しらゆき


ゆきに埋もれて
生きられるなら
それは願ってもない

けれど
ひとは
ゆきの中では生きていけない

事実
ひとは
解けるのを心待ちにする

ゆきが
降り積もるのを
美しいとは云うが
伏して喜ぶものはない

ゆきは
ひとを
凍えさせる
忌まわしいものと云うが


そのゆきが降らんかと
願うのは
ひとで


だからひとは
しあわせにはなれぬのです